【北海道一周ツーリングルートガイド 2日目】積丹ブルーの海岸線一周と神威岬|小樽の地元朝市と絶景パノラマの満喫コース

神威岬2 北海道

北海道二日目 2024年6月7日 金曜日

札幌から積丹半島ツーリング

この日のメインは 積丹半島一周と羊蹄山。夕方には札幌の友人と会食があるので、7時30分ごろに出発。バイクの準備をしていると静岡からいらした高齢の男性に話しかけられる。毎年この時期、東横イン札幌駅北口に宿泊し、北海道を楽しんでいらっしゃるそう。こんななにげない会話や交流も旅の楽しみ。

積丹半島一周ツーリング ルート概要

区間距離(概算)
東横INN札幌駅北口 → 小樽運河約40km
小樽運河 → 鱗友朝市約1.5km
鱗友朝市 → 鰊御殿+祝津パノラマ展望台約5km
祝津パノラマ展望台 → えびす岩と大黒岩約35km
えびす岩と大黒岩 → 神威岬約40km
神威岬 → セイコーマート泊店約42km
セイコーマート泊店 → 二見吊橋(定山渓)約95km
二見吊橋 → 東横INN札幌駅北口約30km
合計約288.5km
  • 実際の総走行距離:298km
  • 所要時間:写真撮影多めで1日コース(所要時間9時間、7:30出発-16:30帰着)
  • 天候:快晴、 最高気温 24.3°、 最低気温 12°

小樽運河

札幌を出て、下道で小樽まで。平日の通勤時間なので、それなりの車の流れ。仕事で札幌から小樽にはよく移動しましたが、ほとんど高速道路で移動していたので、下道は初めて。結構、走りやすい。そして早朝の小樽に到着。

小樽運河

青い屋根が印象的な「北日本倉庫」付近の中央橋へ。ここは小樽運河クルーズの発着所でもあります。

橋上から小樽運河を眺める。まだ人もほとんどいないので、歩道にバイクを入れさせてもらってセローと運河のツーショット。ここは日中であれば、人力車の停留所。

小樽運河2

朝の時間に、この付近を歩いているのは、通勤の方かインバウンドの方々。

小樽運河3

次に倉庫街の表(道路側)に回ってみる。ここは古い倉庫を利用して、食事処やビール醸造所があります。古い文化遺産を利用して新しいお店を営むのは、上手い活用方法だと思います。ヨーロッパでもよくある手法で、わたしは好きです。

小樽運河 情報

石造り倉庫とガス灯が並ぶ、小樽を象徴するノスタルジックな観光スポット

元々は、1923年(大正12年)に小樽港の物流効率化のために海岸を埋め立てて造られた水路です。

  • 所在地:北海道小樽市港町
  • アクセス:JR小樽駅から徒歩約10分。小樽ICから車で約10分。
  • ライダー向けポイント:
    • 早朝の撮影が狙い目:観光客が少ない時間帯に、愛車と運河の美しい写真を撮るチャンス。
    • 定番スポット:運河沿いの散策路や「浅草橋」からの眺めも、撮影ポイント。
    • 駐車場:バイク専用駐車場は少ないため、周辺の市営駐車場などを利用し、徒歩での散策がおすすめ。
    • 注意点:日中は混雑するため、路上駐車はせず駐車場を利用しましょう。ガス灯が灯る夜景も雰囲気があってよいです。
    • 毎年6月中旬の日曜日は自転車のロードレース大会があるようなので、日程が被りそうなら確認必要です。

鱗友朝市(りんゆうあさいち)

次に小樽の穴場的な?鱗友朝市で朝食。

鱗友市場
鱗友市場3

と思ったら、食堂二軒が臨時休業と12時から営業。「いち乃家」から客が出てきたので、念のため確認。海鮮丼であれば大丈夫と。ぎりぎりセーフ。

なんでももう一店の「朝市食堂」が臨時休業したため、客が集中してネタが切れたそう。入れてくれてよかった。一瞬、楽しみにしていた朝ごはん食べられないかと思って、ちょっと焦った。

海鮮丼は好きなネタが入っており、十分満足できました。

鱗友市場2

朝市は地元の人がよく来そうな感じ。もし近くに住んでいるのであれば買って帰りたい食材がたくさんありました。小樽駅前の三角市場よりも、地元民のための市場という感じがとても好印象でした。せっかく北海道をゆっくり回るのですから、こういった地に足をつけた場所というものを多く見ていきたいところです。

鱗友朝市(りんゆうあさいち)情報

小樽運河の少し先にある、地元の雰囲気が魅力の穴場的朝市。ツーリングの朝食に最適です。

  • 住所:北海道小樽市色内3-10-15
  • 市場全体の営業時間:4:00~14:00(日曜定休)。
  • 市場内の食堂
    • いち乃家
      • 営業時間:4:00~14:00頃
      • 定休日:日曜日
    • 朝市食堂
      • 営業時間:4:00~14:00頃(L.O.13:30頃)
      • 定休日:日曜日、不定休
  • ライダー向けポイント:
    • 無料駐車場があり、バイクを停めやすい。
    • 市場内の食堂で、安くて新鮮な海鮮丼などが食べられる。
    • 早朝から営業しているので、朝早く出発したい日の朝食にぴったり。
    • 注意点:営業時間は変更になる可能性もあるため早めの訪問がおすすめ。現金を用意しておくと安心です。

鰊(ニシン)御殿 & 祝津パノラマ展望台

次は鰊(ニシン)御殿へ。

ニシン御殿遠望

道すがら走っていると、遠くの方に御殿らしきものが見えます。御殿を間近で見るのも良いのですが、ちょっとこの眺めで撮ってみたくなりました。脇道にそれて、小さな港へ。確かに離れて見ると、丘の上にでーんとそびえ立っていて、本当に見せつけるような御殿です。当時の繁栄がよくわかります。

祝津展望台

でも眺めが本当に良かったのは、鰊御殿の上の「小樽祝津パノラマ展望台」。水平線が丸く見える、素敵な景観。

ニシン御殿

ここからは鰊御殿を上から見下ろす形に。海を背景に見ると、思いっきり風にさらされる場所なのがよくわかります。よくこんなところに御殿を建てたものです。試される大地、北海道の自然をもろに感じる立地だと思いました。

ところが、ここまでのわたしの鰊御殿への第一印象は、調べてみると見事に覆されました。元々は積丹半島の泊村にあった御殿を移築したものだそうです。こんな不自然な場所に建てたら、住みにくくて大変でしょう。続きは、コラム「鰊御殿」を参照。

そして「小樽祝津パノラマ展望台」からの積丹半島の海は深い碧がとても綺麗です。そして空の色も同じように蒼くて非常に綺麗です。

観光バスも来ていたので、ここは風光明媚なところとして知られているのでしょう。

鰊(ニシン)御殿 & 祝津(しゅくつ)パノラマ展望台

小樽市街から少し足を延ばした祝津エリアにある、歴史と絶景を一度に楽しめる隣接したスポットです。

小樽市鰊御殿 情報

ニシン漁で栄えた時代の巨大な番屋(漁師の作業兼住居)を移築・復元したものです。詳しくはコラム「鰊御殿」を参照。

  • ライダー向けポイント:
    • 御殿のすぐ下に無料駐車場があります。
  • 丘の上に建っており、建物自体も迫力がありますが、内部から海を眺めることもできます。
  • 注意点:
  • 入場料が必要です(一般300円)。
  • 営業時間は9:00~17:00(冬季は16:00まで)です。

祝津パノラマ展望台 情報

ニシン御殿のすぐ上にある、名前の通り360度に近いパノラマが広がる無料の絶景スポットです。

  • ライダー向けポイント:
    • 展望台そのものが駐車場になっており、バイクを停めてすぐに景色を楽しめます。
    • 眼下にニシン御殿と日和山灯台、そして積丹半島まで続く雄大な日本海を一望できる、最高のフォトスポットです。
  • 注意点:
    • トイレや自動販売機はないため、準備は事前に済ませておきましょう。

コラム 鰊御殿とは

現在、祝津の丘の上にある「小樽市鰊御殿」は、もともと別の場所にあった建物を解体し、現在の場所で再び組み立て直したものです。

  • 元の場所と建築主
    • この建物は、もともと約80km離れた積丹半島の泊村(とまりむら)という場所に、ニシン漁の網元(親方)であった田中福松という人物が1897年(明治30年)に建てたものでした。
  • 「番屋」とは何か
    • 「番屋(ばんや)」とは、ニシン漁のシーズン中、網元(親方)とその家族、そして「ヤン衆」と呼ばれる出稼ぎの漁師たちが共同で生活し、漁の作業も行うための巨大な施設です。全盛期には、この建物一つで120人もの人々が寝泊まりしていたと言われています。その規模と豪華さから、やがて「鰊御殿」と呼ばれるようになりました。
  • なぜ移築されたのか
    • ニシンが獲れなくなり、使われなくなったこの貴重な建物を保存するため、1958年(昭和33年)に解体され、現在の祝津の地に移されて復元されました。そして小樽市に寄贈され、現在は当時の暮らしぶりを伝える歴史的建造物として公開されています。

つまり、鰊御殿は単なる古い家ではなく、ニシン漁で栄えた時代の記憶を後世に伝えるため、わざわざ別の場所から引っ越してきた歴史の証人のような建物なのです。

えびす岩と大黒岩、ローソク岩

えびす岩と大国岩
えびす岩と大黒岩
ローソク岩
ローソク岩

国道229号線を海を右手に見ながら神威岬に向かいます。道すがら、半島の出っ張ったところが、海の向こう側に見えます。これから行くところが少しずつ見えるのでこれ自体が楽しみです。岬の先端や冠雪した山々。とくに、点在する一本岩がとても不思議な自然現象です。

海を臨む道

また景色として好きなのは 高台から海に向かって一直線に降りて行く道です。 遠くに来たんだなという感じがして。こういった場所は、いくつか 北海道にあるので、さっと セローを止めて、コンデジで撮影、すぐに出発。

これも旅の楽しみです。でもそんな感じで写真を撮りまくっていたら、3時間で70㎞しか進んでいない。このままでは夕方の予定に間に合わない。まじめに走って、神威岬に昼過ぎ到着。

神威岬

神威岬の駐車場には、トイレや 売店「カムイ番屋」があり、小休憩できます。ここでは「積丹ブルーソフトクリーム」が名物。まるで積丹の海のような青いミント味のソフトクリーム。さすが北海道、ベースに牛乳ソフトを組み合わせているので。ほどよいミント味です。暑い時期、ミント好きにはたまりません。

チャレンカの小道
チャレンカの小道

さて、神威岬までは近いのかと思ったら、片道20分、往復 40分の案内が。いきなり駐車場から坂が始まります。こんな時に アドベンチャーブーツは足首がよく曲がるので重宝します。グリップの良いロングブーツとしても旅には最適です。でも人によっては スニーカーなど 歩きやすい靴を持参した方が良いかもしれません。

そんなに時間的余裕がないのでかなりの早足でどんどん進みます。チャレンカの小道は神威岬までの稜線づたいにあり1.5人分の幅ぐらいの細い道。アップダウンや階段もあり、確かに普通の人であれば 20分はかかると思います。

なお、日差しを遮るものがないので 夏場は帽子や飲み物を持参した方が良いと思います。天候によっては風が強いことも考えられるのでウィンドブレーカーなど、羽織るものがあると安心だと思います。まあ、ライダーの場合は ジャケットがあれば、大丈夫だと思いますが。

神威岬
神威岬の花

先端が近づくと、左右には非常に透明度の高い蒼い海が。そして風雨にさらされた岸壁には短い草が。その中に黄色や赤の鮮やかな花が、積丹ブルーを背景に咲いているのがとても印象的です。

神威岬3
神威岩
神威岬2
神威岬の積丹ブルー

神威岬先端からの景色は、視界が300度近く開けていて水平線が丸く見えます。そしてお目当ての海の真ん中にそびえ立つ「神威岩」が見どころです。

コラム:神威岩などの一本岩の成り立ち

この神威岩のような積丹半島に見られる一本岩は、学術的には「海食柱」と呼ばれ、波の浸食によって陸から切り離された岩だそうです。

海食柱の形成のプロセスです。

  1. 岬の岩盤の弱い部分が削られ、洞窟ができる。 
  2. 洞窟が貫通して天然のアーチができる。
  3. アーチが崩れて硬い柱の部分だけが一本岩として残る。

まるで波が削っていく自然の彫刻作品のようですね。

コラム:チャレンカと神威岬が女人禁制だった理由

ところでチャレンカの意味や、神威岬がなぜ女人禁制なのか気になりませんか。

「チャレンカ」とは、神威岬に伝わる悲恋伝説に登場するアイヌの首長の娘の名前です。

神威岬の遊歩道が「チャレンカの小道」と名付けられているのは、この伝説に由来します。

<チャレンカの伝説の概要>

かつて、奥州から蝦夷地(現在の北海道)に渡った源義経は、日高地方のアイヌの首長の娘であったチャレンカと恋仲になりました。

しかし、義経は大陸へ渡るという更なる野望のため、チャレンカを置いて旅立ってしまいます。後を追い、神威岬までたどり着いたチャレンカでしたが、義経を乗せた船はすでに沖の彼方でした。日高地方は、直線距離でも150㎞離れているので、神威岬まで追いかけてきただけでもすごいです。

悲しみにくれたチャレンカは、「和人の船、婦女を乗せてここを過ぐればすなわち覆沈せん(和人の船、特に女性を乗せた船がここを通りかかったら転覆させてやる)」という恨みの言葉を残して海に身を投げ、その身が岩と化したと伝えられています。この岩が、現在も岬の沖に見える「神威岩」であると言われています。

この伝説から、チャレンカの嫉妬の念が女性の乗る船を転覆させるという迷信が生まれ、神威岬は長い間「女人禁制」の地とされていました。

北海道での義経と娘の悲恋伝説は、他にもメヌカの伝説やシララの伝説があり、いずれも積丹半島が舞台です。事実なのかはわかりませんが、なんらかの出来事があり、それが義経北行伝説と結びついたのかもしれませんね。

羊蹄山

羊蹄山
羊蹄山

神威岬を離れて、ニセコ方面へ。

お昼ご飯は セイコーマート泊店で豚丼。青空の下、好きな時に、景色を眺めながら食事を取れるのは本当に私の旅のスタイルに合っています。道内1096店舗、市町村カバー率99.8%、ありがたい。

ニセコパノラマラインの予定を変更してショートカット。遠くに見えていた 羊蹄山がだんだん近づくに連れて大きくなるのは胸が躍ります。羊蹄山がよく見えそうな道にそれて、雄姿はきっちりと写真に収める。

ニセコパノラマライン情報

今回はパスしましたが、ニセコエリアを代表する絶景ワインディングロードの情報。正式名称は「道道66号岩内洞爺線」です。

  • 冬季通行止めに注意
    • 期間:例年10月下旬~翌年4月下旬まで通行できません。
    • 確認必須:走行前には必ず最新の道路情報を確認してください。
  • 走行のポイント
    • 日本海や羊蹄山を望む、爽快なコーナーが続くルートです。
    • 人気のドライブコースのため、観光車両が多く、スピードの出し過ぎには注意が必要です。特にインバウンドの方も多いエリアなので、日本人とはことなる運転挙動を取るかもしれないので、注意が必要かもしれません。
  • 主な見どころ:神仙沼、大湯沼など。

ところで非常にリラックスして旅を楽しんでいると、地元の人々に話しかけられることが、この旅では多い。

余市のあたりでも、反対車線の道端に座っていたおばあさんが信号待ちの私のところまでとことこ歩いてきて話しかけてきたのには少し驚きました。きっと人と話したかったのでしょうが、信号がその直後に変わってしまったので、挨拶だけして走ってしまいました。正直少し話をしてあげればよかったのかな、と今でも心に残っています。

札幌での夕食おすすめ 生ラムのとてもおいしい やきにく舎 太好了(たいはーら) 麻生店

焼肉たいはーら3
焼肉たいはーら
焼肉たいはーら2

ホテルに戻ってから麻生駅に電車で移動。会食会場の炭火焼肉のたいはーらへ。ここは新鮮なラム肉が食べられるので、札幌出張のたびに来ていました。札幌の友人のイチオシ店。正直、ここのラム肉はほとんど生でも食べられるぐらい新鮮(もちろん焼いていますが)。これより新鮮なラム肉は、モンゴルツーリングでゲルの隣で裁かれた直後のラム以外は食べたことがありません。ここは本当におすすめです。なお、値段も手頃なのも大きな魅力です。

やきにく舎 太好了(たいはーら) 麻生店 情報

新鮮で臭みがなく、生でも食べられそうなくらいのラム肉が評判の人気の焼肉店です。

  • 住所:北海道札幌市北区麻生町5-4-3藤竹ビル1F
  • 電話番号:011-756-8884
  • アクセス:
    • 地下鉄南北線「麻生駅」3番出口から徒歩1分
    • JR「新琴似駅」から徒歩10分
  • 営業時間:
    • 月~木:18:00~23:00
    • 金・土・日・祝日:17:00~23:00
    • ※いずれもラストオーダーは22:00
    • 定休日:不定休(要電話確認)
  • 注意点:
    • 人気店のため、事前の電話予約がおすすめです。
    • 支払いは現金のみで、カードや電子マネーは利用できません。

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