北海道林道ツーリング クマ対策の参考良書 「クマにあったらどうするか」

全国でクマ報道が多いので、北海道ツーリングでのクマ対策として読了。林道に行くこともあるので念のため、基礎知識。

アイヌ最後の猟師、姉崎等さんへのインタビュー形式。ヒグマの生態から遭遇時の対処法まできちんとエビデンスに基づいて書かれています。
いたずらに不安をあおるのでは無い内容がとてもよいです。
正直、森林監視員などの熊と戦ったことのない人の記事では信憑性が不足していたので、この書にたどり着きました。
ただしあくまで参考情報。ツキノワグマにそのまま使えるとも限らないです。

 

<クマについての基礎知識>

意外とニュースでクマの恐怖をあおっていますが、実態はそこまで危険な生き物ではないようです。やはり生態をよく知るのは、基本ですね。

・クマは雑食性、肉よりも草食寄り
・基本的にクマは臆病
・里山に住む生き物で実はよく人間を観察している。
クマは人間を強い生き物と認識。道具を使った移動や木の伐採を観て、自分より人間が強いかもしれないと警戒している。
・偶然接近遭遇をしない限り、襲ってくることはあまりない。
・襲うとしたら若い2-3歳のクマ。イキッタ中学生のようなもの
・ただし人を食べたクマは、生身の人間が自分より弱いことを認識しているので、逃げずに向かってくる。これは非常に危険
・家畜を襲うクマは、人間が生身では弱い生き物と認識していないので、そこまで危険性は高くない。

対処法は5章最後にまとめあり

 

<クマに会わないために>

・鈴や缶の音より、ペットボトルを潰す音をいやがる(聞きなれない)。ただし2002年の著書なので、地域によっては慣れているクマもいるかもしれません。
・木を細い棒で縦に(横ではない)叩くと嫌がる

<クマに会ってしまったら>

・バンバンと地面を叩く音がしたら、来るなの合図。それ以上近づかない、目を合わせながら後退。
・基本逃げない
・目をそらさない
・ベルトを振り回せば、ヘビと勘違いして逃げる可能性
・棒でつつくより、枝の着いた木で防御する
・車の音には慣れっこ
・子連れクマは親の目を見て、子グマはみない。そのまま後ずさりして退避
・大声を出す
・組み伏せられたら、肉食獣ではないのでいきなり噛んでこない。口を開けたところで腕を根元まで突っ込み、舌を掴んで押したり引いたりする。奥まで突っ込めば、口も閉じられない。嫌がって逃げる。(これはできるかなあ)
・数メートルは飛ぶので、距離は一気に縮められてしまう(これはマジで怖い)

以上。実戦経験に基づいた情報は役立ちそうです。
何よりもクマのいそうな場所には近寄らない事が肝要です。

余談ですが、おそらく漫画ゴールデンカムイの参考図書のひとつかも知れません。エピソードと被る内容がいくつかありました。あくまで私見ですが。

とてもおもしろい本でした。小学生のときに戸川幸雄さんの動物文学を好きだった方には合うと思います。

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